埼玉県公立高校入試倍率が発表された。
このあと明日明後日の出願変更期間を経て、最終倍率が決定する。
予想された事であるが、今年から英語と数学で一部応用力を重視する「学校選択問題」を採用した20の高校は昨年よりも倍率は低くなっており、その次の学力層と考えられる高校は高くなっているようだ。
さて、この時期になると毎年のように思い出す生徒がいる。ボーダーラインぎりぎりの高校を受けて合格した受験生だ。さほど熱心に自主学習をしてきた訳でなかった事もあり、1月の最終模試の結果が努力圏に下がってしまい心が折れかかっていた。
私が彼の模試の結果と過去数年の合格者の偏差値分布を照らし合わせてみると、例年その成績以下の受験生が5%以上いる事が分かった。
そこで彼には「君より下の受験生は例年5%以上いる。倍率が1.05以下ならば、この成績でもボーダーライン内だ。ただし合格の可能性を上げるため、受験までの一ヶ月半は毎日、英数国の基礎問題を1時間ずつ復習しよう」とアドバイスした。
それまでの自主学習に対する反省と「合格したい!」という強い気持ち。さらに自習室で勉強した同じ志望校の友人の「4月から一緒に通学しよう」という言葉。それら全てをモチベーション・アップにつなげて、彼は「今までこんなに勉強した事はない」(本人談)という40日間を過ごした。
最終的には倍率1.03倍という「過度の緊張」や「気の抜き過ぎ」が大敵となる条件の中、みごとに「合格しました!」の報告を受ける事が出来た。
よく「受験では倍率よりも自分の実力が大切」と言われるが、「自分の実力とライバルとなる周辺の受験生との相関関係もまた大切」である。その点から考えれば「重要なのは単純な倍率ではなく、それを構成している受験生の層を認識する事」であるのは明白だ。
「君より下の受験生は例年5%いる!」
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