先月、中学校の進路指導会(三者面談)があり、当塾の受験生・保護者の方も当然参加されました。
まあその前に塾で個人個人に合わせた「高校入試スケジュール」を作成し、話し合いをしているので、みんな問題はありませんでした。
とは言え、過去には「受験生・保護者の方」と「学校の先生」の間で意見が食い違うことがありました。
大きく分けると以下のような分類が出来るかと思います。
①.学校の成績・データから志望校への合格の可能性を低く見たケース
②.「とにかくOOしなければならない」など状況を考慮せずに、過去の手法・ノウハウを押し付けたケース
③.受験生の将来の目標や進路に対して、異議を唱えたケース
まず①についてです。
これは中学校で模擬試験が出来なくなった1990年代後半から2010年前後まで比較的多く見られました。
中学校の先生が使える「受験生の学力データ」は「内申書」と各中学校で担当教科の先生が作った「実力テスト」だけ。
このような状況下では中学校の先生に「進路指導を」と依頼しても、データ不足ではっきりしたことは言えなかったと推測できます。
また、中学校が持っているデータ(内申書と実力テストの結果)と模擬試験の結果が乖離しているというケースも非常に多くありました。
このため「君の成績表ではA高校は無理だ」と言われたが、模擬試験の結果を見せて「第一希望を押し通した」という受験生も多々いました。
ただし中学校主催の「実力テスト」は、県内をいくつかの地区に分けた形で2学期以降複数回行われているため、徐々にデータとしての精度が上がっています。
このため最近では、このような問題はかなり少なくなりました。
次に②です。
ある意味、熱心な先生に多いのですが自分の過去の指導の成功体験を全面に出してくるケースがあります。
中には自分の子育て体験まで出してくる先生もいたほどです。
ここでは分かりやすい例として小学校の先生の話を記載します。
過去に私立中学受験を予定している生徒さんが担任の先生にそのことを話すと「あなたには進学校なんて似合わない」「公立中学・高校からでも難関大学は行ける。私の子供たちはそう育てた」「私立中学を何校も受けるなんて聞いたことがない」と受験生のメンタルをとことん破壊するようなセリフを次々と吐かれてしまったことがありました。
まあこの地区で私立中学を受験する人は少数派なので情報を入手していないのは致し方ないのですが、自分の過去の成功体験を押し付けられたその受験生の精神面を立て直すのはやはりある程度の時間を要しました。
最後に③です。
こちらは中学校もそうですが、高校の先生にも見られることがあります。
こちらも塾の卒業生のケースを上げておきます。
その人はある程度将来やりたいことがあって「それにこたえてくれるのは専門学校!」と判断し、高校の担任の先生に話しました。
しかし、その先生の答えは「専門学校なんて行く価値がない」「せっかく内申書がいいのだから、高度な学習を受けられる大学にしなさい」というものでした。
本人はイマイチ納得できなかったのですが、保護者の方が「やはり大学がいいか・・・」と考え、指定校推薦の利く大学へと進学しました。
一年後、その生徒さんは「私がしたかったのはもっと実学的な勉強だった。でも大学では内容がアカデミックすぎて、私の志向に合わない」と大学への興味を失ってしまい、結局中退することになりました。
さて、ここまでのケース、受験生・保護者の方はどう感じましたでしょうか?
①のケースは最近ではかなり減っているので、あまり心配しなくともよいかと思います。
問題は②③のケースです。
熱心なあまり「自分の志向・体験談等を押し付けてくる先生」は少数ですが、いらっしゃいます。
それに対抗するには、受験生・保護者の方の意見が一致して動かないレベルにしておくことが必要です。
具体的には・・・
「ウチはここを第一希望とします。本人の性格・志向・目標・現時点での成績を考慮しての判断です」
「第一希望がダメでも第二・第三希望までのセイフティ・ネットは構築済みです」
「受験の結果については先生に責任を転嫁しません。あくまでも私たち保護者の責任です」
と先生に伝えられるレベルに話をまとめておけばいい訳です。
ここまで話が出来上がっていれば「熱心な先生のお節介」も届くことはありません。
ですから受験生にも「第一希望を受ける」という強い自覚が求められます。
家で受験生と保護者の方が納得できるまで話し合いをされるのが良いでしょう。
ただ、どうしてもまとまらない場合は是非塾を相談機関としてお使いください。
それだけのものは準備していますので。
この件については以下の動画でも解説しています。
https://www.youtu.be/
https://www.youtu.be/