この算数・数学強化法も七回目になりました。予定では今回を含め、あと二回で終了ですが、ここからは他の教科の学習にも通じることについて記載したいと思います。
当塾のある地区では、今週に体育会系の部活動は最後の大会を迎えます。それが終わると期末試験なのですが、ほとんどの中学校ではテスト範囲の学習として「ワーク」の学習を進める、ということが課題とされています。塾生も自習室でそれを進めていることが多いのですが、その際気になったこととして答えを書くと正解でも不正解でもお構いなしになっている人が大変多いということです。これはどういうことなのでしょう?
考えてみると、彼らにとっては「ワークの範囲を終わりにする」ことが重要なのであって「ワークの問題を理解する」ということが二の次になっているのだということが分かります。いわば「学習」ではなく「作業」をしていることになります。これではいくらワークでの学習を進めても学力の伸長は考えられません。
さて、当塾では毎回の授業終了時に、その時間で解いてきた問題をもう1枚「復習プリント」として家で復習するように指導していますが、今年度からは「家で○つけまでするように」と指導しています。理由はもうお分かりと思います。そしてこの行為が「作業」を「学習」に取り戻すものだからだと私は考えているからです。
自分が間違ったということを知るのは辛い時間ですが、それがなければ改善することなく常に同じ間違いを繰り返すことになります。20年以上にわたる塾講師の経験から、小学生・中学生と学年が進むたびにこの「自分の○つけ」をする人の割合は下がる傾向にあるのではないかと思います。しかし「○をつける」というのは客観的な作業であることを考えれば、自分を冷静に見つめなおすことができる時間でもあります。この「自分を冷静に見つめなおす」ということは精神的成長を促すことにつながります。いわば「学習を通して、大人へと成長する」ことなのです。
「解いた問題の○つけをしっかりする」・・・これが数学をはじめとする他の科目にも通じる理解の深化を進めてくれるものになります。