前回に引き続き2023年度の埼玉県公立高校入試問題の科目別予想をしてみます。
今回は「数学」(学力検査委問題)です。
受験生の皆さんは、中学校や塾の先生から
「数学は大問1が勝負だ」
とよく言われているのではないかと思います。
では、実際に大問1と平均点には何か関係があるのでしょうか?
2017~2022年度までの入試の大問1の配点と全体の平均点を見ていきましょう。
2017年 大問1配点:48点 平均点:44.4点
2018年 大問1配点:50点 平均点:44.0点
2019年 大問1配点:51点 平均点:42.3点
2020年 大問1配点:65点 平均点:67.9点
2021年 大問1配点:65点 平均点:62.6点
2022年 大問1配点:65点 平均点:48.0点
こうして見ると一目瞭然ですが、
2020年度の入試から急激に平均点が上がっています。
原因としては
・ 難度が高い学校選択問題との差別化をする必要があった。
・ 配点をそれまでの50点前後から65点にまで引き上げて、基本的な問題を出題しやすくなった。
等が考えられます。
とは言え2019年度と2020年度を比較してみると25点以上も違いますから、
「急にレベルを下げた」という点が反省点になるかもしれません。
2022年度の平均点が直前の2年間に比べて下がったのも、その点を踏まえてのことでしょう。
ところで、大問1ですがこの3年間は全16問です。
さらにその問題構成も、(1)~(11)まではほぼ同じです。
実際の問題を見ると
(1)文字式の加減計算 (2)正負の数の計算 (3)文字式の乗除計算 (4)一次方程式 (5)無理数の計算 (6)因数分解 (7)連立方程式 (8)二次方程式 (9)図形の角度 (10)関数のグラフ・変域 (11)立体図形の基本問題
数学が苦手な人でも、ここまでは何とか失点を最小に抑えたいところです。
そうした数学嫌いの受験生には
「教科書の例題学習」
をお勧めします。
当塾の卒業生でも北辰テストで偏差値30台を連発していた人が、本番では自己採点で平均点まで5点のところまできて
みごとに「難しい」と思われていた第一希望に合格したことがありました。
ではなぜ「教科書の例題学習を進めるのか?」と言いますと
実は上記の問題はこの「教科書の例題」とほぼ同じと言っていい内容・レベルだからです。
具体的に見ますと
2022年の(5)は 12/√6ー3√6 という問題でした。
この内容は下の教科書の「例題2」とほぼ一致します。
こうなると「例題」学習は即効性があるとお分かりいただけるのではないでしょうか?
さらに2022年度の大問1で最も難しかったのは下に示した(16)の相似比の応用問題でした。
ところが、この難度の高い問題も教科書でその基本的な考え方を説明しているのです。
こうして見ると
「数学が苦手でも教科書の例題をしっかり学習することで、大問1で得点を稼ぐことが出来る」
といえそうです。
本番まであと1ケ月余りですが、
「もう難しい問題を解く必要はない」
「教科書の例題を学習していくことで、数学がどうしようもなく苦手な人でも一定の得点は取れる」
・・・数学が苦手な人は出題傾向を考えて、例題を解く学習をすることをお勧めしますよ。