都合により今回は少々早めのブログ更新となります。ご了承ください。
さて、1999年に出版された私立中学校入試の古典的名著である「秘伝 中学入試国語読解法」の中で作者の石原千秋さん(早稲田大学教授)は以下のように述べています。
たとえば、東京大学の学生の保護者は、学歴でも、収入でも、社会的地位でもトップクラスにあることは周知の事実である。東大生の保護者の8割近くは、医師、弁護士、大学教授や、大企業・官庁の管理職、中小企業の経営者などのいわゆる「専門・管理職」に就いていると言う。
ここまで話を続けてきた「全国学力テスト」分析結果についても、同様のことが言えそうです。それは何か?
分析ではまず「世帯収入と学力との関係」として一番下を「年収200万円未満」とし、そこから年収1000万円までは100万円ずつあげて、その上は「1000万~1200万円」「1200万円~1500万円」とし、最高で「年収1500万円以上」まで、計12の階層に分けて、正答率を算出しています。
結果は、中学3年生では「年収1200~1500万円」の世帯の生徒の正答率が一番高かったものの、その他は小学6年生も中学3年生も、世帯の年収が上の方が正答率が高くなるというはっきりした傾向が出ました。
また、保護者の方の最終学歴を「中学校」「高校」「短大・高専・専門学校」「大学」「大学院」の5つに分けて行った調査では、父親でも母親でも、いわゆる「高学歴」の保護者の方の世帯の生徒の方が、正答率が高くなることが明確になっています。
こう書いてしまうと「経済的に苦しい世帯では学力は伸びないのか?」「しょせん高い学歴を得るには金がものを言うということなのか?」という声が聞こえてきそうですが、分析結果には「そのような不利な環境でも・・・」という記載があります。それは何なのか?
そのことについては、次回論じたいと思います。 では、今回はこれで失礼します。