埼玉県の公立高校の入試は数年間にわたる改革を五年前に終了し、今は安定期といえる(来年度は理科・社会の試験時間延長、英語・数学における「学校選択問題」導入があるが)。
学力検査(入試)と同様、合否判定の基準となる調査書(いわゆる内申書)についても「どの学年の比率を高くするか」「入試との比率はどうするか」などもきちんと分かるようになっている。
ところが、その調査書には各教科の成績だけでなく「特別活動の記録」(生徒会や部活動など)と「その他の項目」(各種資格など)も記載されている。
例えば「生徒会長」「部活動部長」や「英語検定準2級」などと何にたいして加点されるのかが、各高校の入試基準にはしっかり書いてある。
しかし「生徒会長は○点加算」「英語検定準2級は●点加算」という明快な記載はない。また、前回レポートしたような説明会でも、この件に関する高校の担当の先生の解答は不明瞭な感を否めない。この事が受験生や保護者の方に意外と不安を与えている。当塾でも例年3月に新中3の保護者の方を対象に「高校入試説明会」を行っているが、この件に対する不安・不信感を持つ保護者の方から毎年のように質問を受けている。
「実際の入試の方がはるかに重要です」「『特別活動』や『その他』の項目で満点になることはほとんどのありません」と高校の担当の先生は言っているが、それは問題のすり替えである。保護者や受験生が不安を持ってしまうのは、きちんとした情報開示がなされていないからである。
その点はまだ埼玉県の公立高校入試は改善の余地がありそうである。
「情報開示」未だ成らず
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