こんにちは。
今回は「やってはいけない志望校選び6選」についてお話ししようと思います。
まずは、下の一覧をご覧ください。これが私の25年以上に亘る塾講師の経験から割り出した「禁忌事項」です。
1.偏差値で選ぶ
2.進学・進路実績で選ぶ
3.「近いから」と地元で選ぶ
4.「勉強しなくても合格する高校」を選ぶ
5.「友達が行く高校」を選ぶ
6.「将来のアウトラインなしに」高校を選ぶ
ここで「志望校選び」について考えてみます。
「志望校選び」は言わば、人生で「将来の方向性を決める最初の選択」です。
であれば、そこには受験生の「将来に対する考え」「関心・興味」「志向」が最大限に反映されるべきものです。
では、なぜこの6つの方法がおススメ出来ないのかについて検証していきましょう。
1.偏差値で選ぶ
高校選びの基準として「偏差値を利用する」。その上で「少しでも高い偏差値の高校へ」という保護者の方は少なからずいらっしゃいます。
ただ「偏差値が高くなる」という事は「大学進学志望者の割合が高まる」ことになります。
また同じ商業科や工業科でも、高校によって「カラー」が違うことが多々あります。
例えば同じ商業科のA・B・Cの3校でも「Aは大学進学率が高い」「Bは資格の取得に実績あり」「Cは地元企業への就職が多い」等の差があります。
従って「偏差値はあくまでも合格の可能性を見るもの」「高校自体の内容は別途でしっかり確認」という方針の方が失敗は少なくなります。
2.進学・進路実績で選ぶ
「B大学O名合格!」「公務員試験O名合格!」のように進学実績・進路実績で高校進学先を選ぶ方もいらっしゃいます。
特に最近増えているのは「ここ数年で難関大学への進学者が急に増えた高校を選択肢に入れる」保護者の方です。
ただし、そのような高校の多くは「実績がなかったので、それまでの入学者の中心層だった生徒さんにかなり厳しく学習指導」をしています。
つまり「入学したら『勉強漬け』の日々が待っている」高校であるケースが多いのです。
覚悟がなく、将来の目標の無い生徒さんには「なんでこんなに勉強させられるのか?」を考え続けねばならない苦痛の高校生活になりかねません。
「進学・進路実績はあくまで数字」「勉強のサポートだけでなく他の項目が生徒さんにあっているかどうか」を目安にするべきでしょう。
3.「近いから」と地元で選ぶ
埼玉県北部地区は公立高校、そして地元志向が強いと言えます。
20世紀中は比較的安定した人口や経済状況の推移があり、それでも問題はありませんでした。
しかしながら、この地区は現在、人口減少、それに伴う産業の低迷があり、高卒後に就職する場合、苦戦するケースが増えるかもしれません。
また、標準以上の収入が得られる高次産業への就職やそのための大学進学を考えた場合、この地区から離れて都市部への高校進学の方が有利になることは明白です。
「地元の高校ならば朝はギリギリまで寝てられるから」という生徒さんも多いです。
しかし、生徒さんの将来のことを考えると、安易に「近いから地元の高校」を選ぶべきではないと結論できます。
4.「勉強しなくても合格する高校」を選ぶ
「とにかく『高校』という名前がつくところに行ってほしい」という保護者の方もいらっしゃいます。
ですが、受験勉強という「努力」をせずに入った高校に対して、お子さんは「全く魅力を感じない」ケースが多くなります。
「努力」をすれば「ここが自分の高校だ」と愛着も湧き、愛校心も芽生えるでしょう。
そうでなければ「愛着もないので辞めます」と中退する人は多いです。
と考えれば「行ける高校」ではなく「行きたい高校」を狙えるように「勉強という努力をする」ことは生徒さんには大切なポイントです。
なぜなら「成績を上げるために勉強する」ことは「資格試験取得などの学習方法につながる」、また「成績が上がって行きたい高校に合格した」ことが生徒さんの「成功体験」となり、こちらも将来の心の支えになるからです。
5.「友達が行く高校」を選ぶ
小学校、はたまた幼稚園から仲がよく親友と言える「友達と一緒の高校に行く」という人もいます。
しかし考えねばならないのは「その友人は、決してあなたではない」という事です。
どんなに仲が良くても「その友人と同じ人生を歩む」という事はありません。
まして「志向」「性格」「将来像」が違っていればなおさらです。
「受験生は受験を通して自分の行く末を考えなければならない」のです。
6.「将来のアウトラインなしに」高校を選ぶ
本来ならば、これを最初に示すべきだったかもしれません。
生徒さんが進路先を決めるのに最も大切なことは「その高校に行って何をして、どのような進路を歩みたいのか」を考えることです。
つまり「高校進学の目的を明確化する」ことです。
私の友人で二人のお子さんのお母さんがいましたが、彼女曰く「高校は通過点だから、その後に自分がどうしたいのかを考えておかなくっちゃね」ということでした。友人本人も「自分は普通科は向いていない。でも商業科でもない」と判断し「家政科のある高校」へ進学しました。
さて、その二人のお子さんですが、現在、一人は看護師として、もう一人は管理栄養士として働いているそうです。
二人共「高卒後は就職か専門学校」という、大まかですが基本的な方針をお母さん(私の友人)と決めた上で高校は専門学科へ進学をしました。
ですから「あやふやでも大まかでもいいから、保護者と生徒さんで高卒後の方針を話し合う」ことは高校進学の際の必須事項になります。
この件については以下の動画でも解説しています。是非一度ご覧ください。
https://youtu.be/
さて、前回のブログでもお話ししましたが、
当塾では3月13日午後2時~3時30分まで「高校入試説明会」を行います。
「他の塾に通っている」「今、塾に入っていない」という外部の方の参加も、まだ若干名可能です。
ご希望、ご関心あれば、早めにご一報ください。
ご参加をお待ち申し上げております。