先週に引き続き今回は「中学2年生編」です。まず「何がターニングポイントなのか」を記します。
「英語の『to不定詞』、数学の『一次関数』、国語の『古典』がターニング・ポイントになる!」
では「何のターニング・ポイントになる」のでしょうか? それは
「これらの項目の理解次第で上位校に行けるかどうかのターニング・ポイントになる」
ということです。
ご参考までに英語と数学について例年学習する内容と今年の予想される学習内容についてまとめてみました。下記の表をご覧ください。
では、これらの内容がなぜ「高校入試での上位校かそれ以外」のボーダーラインとなるのかについて、具体的に例を上げて説明します。。
まずは英語のto不定詞です。
私の講師として20年以上の経験上「to不定詞」が苦手な人は、特に次のようなミスを犯しやすいことが分かっています。
例題)次の文を英訳しなさい。「私はサッカーをするのが好きだ」
正解)I like to play soccer.
誤答例)I play like to soccer. あるいは I like play to soccer.
どうでしょうか?
英語と日本語は「語順が違う」のですが、英語の「主語+述語動詞+その他」という語順をしっかり理解することがこの「難問」攻略の第一歩になります。
そしてこれ以降も、比較表現・受動態・分詞の後置修飾・関係代名詞と中3の後半まで「主語と述語の関係」が悩ましい項目が目白押しです。
いずれの項目も「主語+述語動詞+その他」の関係をきちんと把握することが材重要ポイントです。
それが出来ずにto不定詞以降の英語が苦手な人は、上位校は・・・ということです。
次に数学の「一次関数」ですが、その理解には「連立方程式」をベースに「文字式」等「中学入学からそれまでの代数系の総知識」が必要です。
一次関数は「y=ax+b」という式で表せますが、そのためには「文字式」の理解が必要ですし、座標からグラフの式を算出するには連立方程式が使えければなりません。
例題)2つの座標(1,3)(5,11)を通る一次関数の式を求めなさい。
正解)それぞれの座標を「y=ax+b」の式に当てはめて「a+b=3・・・①」「5a+b=11・・・②」という連立方程式を解いてaとbを算出する。(a,b)=(2,1)になるから、この式は「y=2x+1」になる。
また、一次関数をより難しくしているのは「代数系と幾何系(図形)のコラボ」になっているからです。
図形が苦手な人は多いので、これは難しく感じるでしょう。
例題)AB=5cm、AD=10cmの長方形ABCDがある。今、点Pが辺AD上を毎秒2cmで動くときに三角形ABPの面積をycm2、APの長さをxcmとしたときにyをxを使った式で表しなさい。ただし点PはDに到達すると、Aまで戻るものとする。
解答)点PがDに達するまではABを底辺5cmとして高さはAP=xcmをと考えればよいので、この部分はy=5Xで表せる。また、逆に点PがDを出発してAに向かう時のxとyの関係を見てみると、(x,y)=(6,20)(7,15)(8,10)(9,5)(10,0)・・・xが1増えるとyは5減っているので「傾きはー5」となる。あとはy=ー5x+bの式に、座標を一つ代入するとb=50 よって答えは「xが5未満の時は、y=5x。xが5以10以下の時にはy=-5x+50になる」
このように一次関数は「代数系の総まとめ」「代数系と幾何系のコラボ」であるため、その理解が上位校への進学には必要不可欠なのです。
そしてその攻略のヒントとして
①.一次関数の座標等を使った基本的な問題が苦手な人は、その前に学習した「文字式」「連立方程式」を復習するとよい。
②.図形とのコラボ問題では、表を作るなどxとyの関係を具体的に数値化して「傾き」や「y切片」を考えてみる。
ということを上げておきます。
では最後に国語の「古典」についてです。
まず「古典は(昔の)日本語ではあるが、(現代の)日本語ではない」と理解する必要があります。
そして高校入学後には本格的な古典の学習が始まりますが、この中2からの内容がそのための基礎作りになります。
中1の教科書とは異なり、現代語訳は掲載されず、古語の意味が記載されているだけになります。「自分で現代語訳をしてみよう」という事ですね。
また当然、古文の文法は現代語の文法とは異なります。中学の古典でよく問われるのは「係り結びの法則」です。
例題)「人はいさ 心も知らず 古里は 花ぞ昔の 香ににほひける」
この歌で係助詞「ぞ」に対して連体形「ける」が組み合わせになっている。このような組み合わせを何というか。
解答例)係り結び(の法則)
古典については、英語の学習方法と似ていますが、
①.文章を音読すること。特に古典独自の「歴史的仮名遣い」に慣れる必要がある。
②.自分で現代語訳をしてみる。その上で先生の現代語訳とどこが違うのかを考えてさらに復習する。
これで、中学時代は問題なく、その上高校入学後も通用する基本的な学習方法が取得できます。
前回の中1生編でも記載しましたが、基本的な学習の進め方は共通点が多いです。
そこで、もう一度学習の進め方を記載します。
ただ中2生の場合、個人の状況にあった進め方が必要です。高校進学、その卒業後の方針なり方向性が、一人一人違ってくることになるからです。
つまり少々大げさな言い方ですが「オーダーメイドの学習診断と処方箋」が必要です。半年足らずで4月。現中2生は「高校受験生」になるのですから。
また、進学校に進まなくても、これらの内容を把握しておくことは、生徒さんの将来を切り開く武器になります。
2017年8月のブログのコラムで「英語は苦手だけれども、モノ作りが好きで工業高校に進学した人」のことを書きました。
現在、精密機械メーカーに勤務する彼は若手のホープとして、海外での展示会への参加を行っています。
そのため苦手だった英語を再学習中で「先生が言った通り、もう少し英語を勉強すればよかった」という事でした。