今回は7月10日に発表された「令和3年度埼玉県公立高校入試の範囲」についてです。既にご存知の方も多いかと思いますが、各科目ごとに下記に記します(除外項目です)。
国語 中3の慣用句・四字熟語、中3の教科書の漢字の読み書き
社会 公民の経済・国際社会
数学 相似の日常生活を利用した問題・円(円周角と中心角)・三平方の定理・標本調査
理科 天文(地球と宇宙)・科学技術と人間・自然と人間
英語 関係代名詞・間接疑問文
こうしてみると例年ですと、中学校では2学期の中間テスト以降に学習する範囲はほとんど出題されません。
既に関東地方では東京都・神奈川県・栃木県・茨城県で来年度の公立高校入試の出題範囲が発表されています。事実上「範囲は削らない」とした茨城県はともかく「かなり削ったなあ」という個人的な感想を持った東京都や「東京ほどではないんだ」という神奈川県・栃木県と比べても、埼玉県は「思い切り短縮しました」という印象です。
これは東京都や神奈川県の発表の後に新型コロナの罹患者数が増えてきたため「2回目の非常事態宣言があるかも」と考えたからかもしれません。
ただ「中3の2学期中間テスト以降の内容」は高校の学習内容に直結するものが多くなっており、これらをおざなりの学習で済ませると、入学後に学習面でいきなり苦戦する人が続出という事態を招きかねません。
具体的に言うと、数学では「円」「三平方の定理」が高校の「三角比」に、そこから更に「三角関数」につながります。英語の「関係代名詞」は高校でさらに細かな学習します。特に進学校での影響はかなり大きいでしょう。
また、実力の確認・弱点の補強のため「過去問」を解く際に上記の範囲の知識なしで行えば、得点が伸びなくなるのは明白で「実力を知る」よりも「自信喪失」につながりかねません。
更に一部の私立難関校では、今までに中学校の範囲を逸脱する問題を出題していました。これらの高校が今回のみ出題範囲を短縮するとは考えにくいと思われます。
そこで当塾では、今年の中3生にも例年同様のカリキュラムを組んでいます。こうすることで、冬期講習中に実施する「過去問徹底研究」に対応し、しっかりした基礎知識を身に着けての高校入学を図ります。
塾関係者は「入試に合格すればいい」のではなく、それ以降のことも考えるべきだと思っています。