当塾では先週末に2回目の進路相談会を行いました。
さて、今回は「やってはいけない志望校選び」についてお話ししたいと思います。
先にいくつかポイントを上げておきましょう。
①.偏差値の高い高校を選ぶ
②.近場の高校を選ぶ
③.とにかく入りやすい高校を選ぶ
では一つ一つ見ていくことにしましょう。
①.偏差値の高い高校を選ぶ
1990年代前半まで、特に埼玉県では全県的に採用されていた模擬試験があったため、いわゆる「偏差値による『輪切り』」が事実上、公然と行われていました。
しかし、それが崩された結果「誰もが受験する高校を自由に選ぶことが出来る」という高校受験に変化しました。
とはいえ、各高校の合否判定にはいまだに偏差値が大きなウエイトを占めています。信頼できるデータとして「偏差値」は生き残っている訳です。
ただそれはあくまでも「合否判定のデータ」にすぎません。
偏差値が「その高校の『格』」「充実した教育内容」「受験生個人個人のニーズへの対応力」を示しているわけではないのは明らかです。
その点を理解していないと「A高校よりもB高校の方が偏差値が高いから、A高校を志望校にする」と決めてしまい、入学後に「イメージと違う」という声を上げる受験生・保護者の方が出てくるというケースがある訳です。
ですから「偏差値はあくまでも『合否判定の目安』である」と考えていただければと思います。
②.近場の高校を選ぶ
県北の塾講師になって既に四半世紀が立ちましたが、特に県北の受験生・保護者の方々の場合「地元志向」が強い傾向があると感じます。
まあ、保護者の方から見れば通学時間は少ないので、朝晩の負担は重くならないというメリットがありますね。
受験生サイドでは「昔からの知り合いの多い高校で、楽しい高校生活をスタートできる」という点は小さくありません。
ただ、もう一度改めて考えてほしいのは「何のために高校に行くのか?」ということです。
「将来地元で就職する」といっても、県北地区は既に人口減少が始まっており、産業の再活性化は段々難しい状況になるかもしれません。
「特に『難関』と言われる大学・学部を受験する」のであれば、実績の高い県南の高校への進学の方が、その可能性を拡大しやすいことは明らかですね。
こうしてみると「自分の将来の可能性を最大限に拡大してくれる高校は?」と考えて「場所」に縛られない高校選びをする方が、メリットが多いと思われます。
③.とにかく入りやすい高校を選ぶ
成績や学習内容の理解に自信が持てない受験生や保護者の方の中には「とにかく高校であればどこでもいいから入りたい」という「切実な」気持ちになっている方もいらっしゃいます。ですから進路相談会でも「先生、どこの高校ならば入れるでしょうか?」「うちの子に入れる高校なんてあるんでしょうか?」という極めてストレートに質問をぶつけてくる方も見られます。
上記の通り、県北地区は人口減少が始まっていることもあって、例年最終倍率が1.00を切る高校が複数見られます。
ですから極端な話、最終手段として「倍率が1.00を割り込む高校に出願する」という「方法」を取ることが出来ます。
ですがここで考えたいのは、②で述べたように
「何のために高校に行くのか?」ということです。それは「高校卒業後はどうするのか?」を考えることでもあります。
これを考えないと、せっかく高校に入学しても「何をするわけでもなく、ぼんやり過ごしてしまう」ことになる人が多いのです。
また「5科中心で勉強して大学へ」という希望があっても、結局「入りやすいから商業高校へ」進学したりすると、学習内容に関心が持てなくて高校生活がつまらないものになってしまうことも考えられます。
残念ですが、当塾の卒業生にもそのような進学した高校の学習内容とのミスマッチングを経験した人がいました。
ですから、まずは「いざとなれば入れる高校はある。それよりも今は『行きたい高校』『将来の自分を作るために必要な高校』への進学を考えて努力すべき」と考えます。
なおこの件については以下の動画でも解説しています。
https://www.youtu.be/