④ 成績・学習量共に足りないのに「合格する」という根拠のない自信を持っている人がいる
それほど頻繁に見られるわけではないのですが、何の根拠もなく「受かるもん」という自信を持っている人が出てきます。
例年、数人の受験生を指導している私の場合、数年に一人くらいの割合でしょうか。
現在、高校生になっているある生徒さんの中にも
・ 内申書・模試共に志望校の合格できるラインまで、かなり足りていない。
具体的に言えば内申書では9科で29以上、5科偏差値では53位からが合格率80%だが、内申書はオール3を1つ下回り、模試の偏差値は一度も50に届いたことがない。
・ 「ボーダーラインまでまだまだ足りないよ」と数値で具体的に伝えているが、自主学習はおざなり。
・ 一緒に学習計画を立てても、実行しない。
・ しかし、進路指導会では、なぜか「オレは受かる!」と強気。
・ 「じゃあ、合格するっている理由を話してよ」と聞くと「むにゃむにゃ」と理由がはっきりせず「とにかく受かる」の一点張り。
という人がいました。
当初は、こういう受験生の心理状況がよく分かりませんでした。
しかし、流石に26年も塾講師をやっていると次のような気持ちなんだなと話を聞いて分かったり、想像できるようになってきました。
・「努力なんて、ダサい」「勉強しないで合格する俺様、カッコいい!」
・「友達や知り合いに見栄を張っちゃって志望校を言ったから、今更変えるなんてダサい!」
・「その高校ならば自慢できる。けれども、そのための努力はしたくない」
・「勉強する習慣がないから、今から勉強するって言っても、自信がない。志望校くらい夢を見たい」
こういった気持ちを「甘い」「ふざけている」というのは簡単です。
しかし、その背景には
・ 受験生に対して周辺の人からのプレッシャーがある
・ 今までの生活から「何とかなる」と考えている
という事が多いのです
従って個人個人の「背景」を確認して、学習環境を整えることが対策になります。
例えば「家では自主学習が出来ない」のであれば、半強制的に塾での学習を義務付けることもあります。
これらはあくまで例ですが、基本的には
・「なぜその高校を受験したいのか?」
・「その高校に行くことで、受験生が得るメリットは何か?」
を話し合いの中で、共に探ることが最重要かもしれません。