埼玉県公立高校入試 社会の問題を分析する 2

一昨日、新聞に折り込み広告を入れたところ、アクセス数が当日だけで350件を超えて1日の新記録となりました。ご覧いただきありがとうございます。

 

中3生の最後の難関、公立高校入試まであと二週間余りとなりました。

この時期になると毎年のように書いてしまうのは中学校の期末試験のことです。今年も中3生だけ早めに明日から実施されますが、同時に「期日までにワーク提出」というのが想像以上に重荷になる生徒さんが多いのです。

私の個人的な意見ですが、この時期は「そんなもの」よりも高校入試に向かって最後の弱点補強や基礎事項の見直しをする方がよほど必要と考えているので、中学校の先生方には「期末試験は入試の後」にするとか、そうでなければ「ワークは提出しなくてもよい」などの考慮をしてほしいところですね。

正直申しまして、中学校の期末試験よりも公立高校入試の方が、生徒諸君の将来にははるかに重要度が高いのですから。

 

 

さて「埼玉県公立高校入試 社会の問題を分析する」の2回目です。

今回は大問3「古代・中世・近世史」と大問4「近代・現代史」の問題を見ていきましょう。

 

まずは大問3「古代・中世・近世史」です。

2010年以降の問題を見てみると以下のような傾向になっていることがわかります。

 

・ 形式はテーマ別のカードに時代ごとの特徴を記入して、それに関連した問題に答えるもの。

例)2018年の場合、「中大兄皇子」「藤原道長」「北条泰時」「足利義満」「水野忠邦」の5人に関する問題が出された。

 

・ 時代区分としては「古墳」「飛鳥」「奈良」「平安」「鎌倉」「室町」「安土桃山」「江戸(中期まで)」が、テーマとしては「土地政策」「世界遺産」「人物」「外交」「法」「文化」「書類」等が出題されている。

 

・ 必出なのは文化に関して「写真」と「資料」を組み合わせる問題、特定の時代の記述の正誤問題(いずれも選択形式)である。

 

・ 論述問題は過去9年間では江戸時代の5回が最多で、その他は古墳・平安・鎌倉・室町の各時代が1回ずつである。また、そのテーマは「外交・貿易」が4回で最も多く、その他は産業・経済、政治・相続が各2回ずつ、文化・宗教が1回になっている。

 

・ 参考までに、過去9年間では縄文時代・弥生時代に関する出題はされていない。

 

・ 以上のような点から、古代・中世・近世史は「各時代ごとに政治・経済・外交・文化の各分野の特徴をしっかり整理すること」が最終ポイントになってくるといえる。

 

 

次に大問4「近代・現代史」です。

 

・ 形式はペリー来航以降の年表が出され、それに関連した問題が出されている。過去9年間の出題では、年表は1853~1990年の範囲で治まっている。

 

・ 必出なのは4つの歴史的項目の年代順並べ替え問題である。

 

・ 戦争・産業革命に関連する工業生産額や貿易額のグラフの出題率も高い。

 

・ また、特に明治維新前後から第二次世界大戦までの重要人物に関する質問も多い。2013年以降では大正デモクラシーに関連して、当時の政党を含めた出題もされている。

 

・ 論述問題では政治に関連した出題が4回、経済・産業が3回、外交が2回になっている。

 

・ 時代でいえば高度経済成長以降の出題、分野では文化に関する出題はほとんどされていない。

 

・ 以上のような点から、近代・現代史についての最後のチェックポイントは「この区分での時代の『流れ』をまずとらえる。その上で『政治』『経済・産業』『外交』等の分野別の内容をまとめること。特にそれぞれの分野の関連も強くなっている点にも注意」ということになるでしょう。

 

・ また、更に近代・現代史は公民とも関係が深いので、公民とも関連付けて学習することで、大問6「総合問題」の対策にもつながります。

 

 

以上で大問3・4の分析を終わります。

この分析も次回が最終回。大問5「公民」、大問6「総合問題」です。

 

その時には発表されている第1回の倍率についても触れることが出来るかと思います。

 

ではまた、来週。

 

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