父の書棚と新聞広告

高校生クラスでの事。彼らと話をしていた時に、現在高校生に人気のあるライトノベルが話題になった。
主人公は「孤高のぼっち」を自認する友人がいない進学校の男子高校生だが、実力テストで国語が学年3位になるなど学力はある。そしてその学力(国語力)を支えているのが、彼の父親の膨大な蔵書の読書体験なのだ。
そんな話を聞いて、ふと思い出した事がある。
私の父親はあるメーカーに勤務していたが、その書棚には様々な本が置いてあった。ビジネスマンらしく歴史小説やビジネス書から果てはキリスト教の聖書(しかも文語体)までと膨大とは言えないが、書棚はいつも埋まっていた。読書が好きだったのだと思う。
さてもう40年以上前、当時中学生だった私はその書棚から、光文社から出されていた「バランスシート」というビジネス新書を見つけた。
その本にはトランジスター・ラジオ、トリニトロン・テレビを開発し「メイド・イン・ジャパン」の旗手であり「若きエクセレント・カンパニー」と言えるソニーの創業から成長期の話がバランスシート(貸借対照表)を説明する為に掲載されていた。
もちろん、中学生に詳細が分かる訳はなかったが「へ~っ、会社ってこんな風に始まって大きくなるのか」という印象を持ったのは間違いない。
後に大学進学に際して私は商学部に進んだが、その要因としてこの父の書棚から抜き出した一冊の読書体験があるのかもしれないと、今更ながら思っている。
このような事から、保護者の方の読書体験は保護者の方の想像以上に子供たちに影響を与えていると、私は考えている。
さて、塾のPRは今やインターネットが中心になった感がある。各種セミナー等でもそう喧伝されている。
低コスト、リアル・タイムな情報、更新の手軽さ…。どれを取ってもインターネットは新聞広告よりもはるかに利便性が高い。
しかし当塾は現在でも年3ないし4回の新聞の折り込み広告を実施している。それは新聞が「文字をしっかり読んで、そこから情報を得ようとする人の元に届く」からだ。
言わば「積極的に情報を得よう」「文字情報は重要なメディア」と考えている人に当塾の事を知ってほしいと考えるからである。

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