新年度の授業の授業が始まって2週間以上が過ぎました。
中学生の数学について見てみると、中1生は正負の数・中2生は文字式・中3生は式の展開と因数分解を学習してきました。
いずれもこの後のテーマに直結する内容なので、しっかり学習を進めて家での復習を促したいところです。
さて、いずれの学年も1学期期間はほぼこのような代数系の学習内容です。
簡単に言うと計算中心の学習を進めていくわけです。そこで思い出したことがあります。
計算力というと「算盤」「公X式」という外部学習機関が思い浮かぶ人も多いと思います。
当塾でもそういった機関から移ってこられた方を過去に何人迎え入れてきました。
そして意外なことかもしれませんが、そのような機関から来た生徒さんの中に「数学が苦手な人が多い」のです。
一体、なぜなのか? 彼らの問題の解き方を見ているとその理由が分かってきました。
彼らは計算問題は文句なしにできます。
しかし、応用問題(いわゆる文章題)になると途端に足踏みをしてしまうのです。そこで詰まってしまう訳ですね。
では、それはなぜなのか? さらに見てみると、彼らは複雑な文章題でも「1つの式で答えを出そう」としているのです。
お分かりの方も多いと思いますが、小学校の算数の文章題でも1つの式で答えを出せるのは簡単なものだけです。
学年が上がるにつれて文章題の答えを出すには、複数の式が必要なケースが増えてきます。
そして、それらの1つ1つの式に意味があることを理解していなければ、答えに到達するのが難しいのは当然です。
しかし、彼らは「式なんてテキトーに作って、合っていればそれでいい」というやり方で文章題を解こうとするケースが多いのです。
これでは「段階を踏んで理論的に考える」という「数学的思考」を育むことは困難です。
ですから、彼らは確かに計算問題には強いと言っていい人が多いです。
だが・・・、残念ながらそれだけです。上記のような応用問題(文章題)をはじめ、いわば応用問題のオンパレードになる「関数」「図形」等の分野には歯が立ちません。
それでも、計算問題が解けるので、自分自身は「数学が得意」と勘違いしているケースもよく見られます。
「計算力」はいわば「反射神経」のようなものなのです。「鈍くては困るが、それが優れているからスポーツも優秀」という訳ではないのです。
それよりも「この問題が求めているものはXXで、その答えを出すのに必要なものは・・・」と考えを進めることが出来る「論理展開力」が最終的には数学のみならずあらゆる科目に必要な要素と考えます。
そして、保護者の方々はお分かりと思いますがこの「論理展開力」は社会人になっても求められるものでしょう。