2017年度の埼玉県公立高校入試から、大きく変わった点があります。それは
「一部の高校で英語・数学の『学校選択問題』を採用したこと」
です。では、なぜこの学校選択問題が採用されるようになったのでしょうか?
学校選択問題を採用している高校を見ると、旧制中学校、旧制女学校など、
その地区の「進学校」と目されている高校が多いのです(2022年度入試では22校が採用)。
このことから考えられるのは、
2021年度からスタートした「大学入試改革への対応」
ということになります。
当初は「大学入試共通テスト」「記述式・論述式問題が増える」という方針もあり、埼玉県の教育委員会でもそれに対応したと言えるでしょう。
では実際に「学力検査問題(一般の入試問題)」と「学校選択問題」はどのくらい違うのかをご覧いただきましょう。
下の問題をご覧ください。いずれも2017年度の数学「4」の問題ですが、左は「学力検査問題」、右は「学校選択問題」です。
この「4」は2次関数の問題ですが、完全に共通しているのは「aの値を求めなさい」という問題だけです。
「点Pの座標を求めなさい」という問題については、学力検査問題では説明付きですが、学校選択問題では答えだけを求めています。
その代わり学校選択問題では学力検査問題では見られない「1回転させて出来る立体の体積を、説明も書いて求めなさい」というかなり難度の高い問題が最後に出ています。
さて、学力検査問題の最後の出題(3)を解くには「相似」「面積比」「相似比」の知識が必要です。
これに対し学校選択問題の最後の問題(2)②には「円錐の体積」「1次関数の式の算出」「三角形の性質」「三平方の定理」「相似」等の理解が必要です。
つまり
学校選択問題を解くには、学力検査問題よりも多岐にわたる知識と理解が必要だ
という事がお分かいただけるかかと思います。
では、そのような「学校選択問題」や難度の上がった国語の「論説文」や理科・社会の記述・論説問題にはどのように対応すべきなのか?
一言でいうと
「同じような難度のレベルの問題を解くトレーニングをする」
という事になります。
その件については次回、もう少し具体的にお話ししたいと思います。
尚、以下の動画でもこの件を解説しています。
https://youtu.be/