こんにちは。不定期の更新になります。
昨日、新聞と県教育員会のHPに「2020年度公立高校進学希望状況(12月15日現在)」が発表されました。
それについて「先生、大丈夫なんでしょうか?」と早速受験生の保護者の方から心配するご質問がありましたので、電話にてお答えさせていただきました。
そこで、その内容を一部踏まえまして、今年の傾向を読み解いてみたいと思います。
なお、当塾は深谷市にありますので、基本的には埼玉県北部(高崎線沿線)の内容・情報が中心になります。
【普通科(外国語科・理数科含む】*( )内は昨年同時期との比較
熊谷高校 1.05(-0.16)
熊谷女高 1.22(+0.14)
熊谷西高(普通科) 1.46(+0.33)
(理数科) 1.30(+0.32)
本庄高校 1.10(+0.04)
深谷一高 1.29(-0.26)
深谷高校 0.89(+0.03)
卒業後は大学進学を考える生徒が多いこれらの高校では、熊谷西高校の高倍率が目を引きます。
2017年度入試から開始された英語と数学の「学校選択問題」の採用で、それ以降の倍率とボーダーラインの低下傾向が3年連続で続いていましたが、今年はそれが「入り得」の高校として受験生と保護者の方々の関心を集めているのではないでしょうか。
また昨年、1.40倍と県北普通科で最も高い最終倍率だった深谷第一高校は、今年のこの時点では5年前とほぼ同じレベルに落ち着いています。とはいえ、熊谷西高に次いで県北人気No.2となっており、今年も厳しい戦いになりそうです。
【専門学科】
[農業系] 県北には農業高校として熊谷農高(4学科)・児玉白楊高校(2学科)があります。現時点では熊谷農高の志願者はほぼ定員。専門学科には第二希望を認める高校が多く熊谷農高もそうですので、戦術を間違えなければ波乱は少ないでしょう。児玉白楊高校は2学科共にまだ定員まで余裕があります。
[商業系] 県北の商業高校として深谷商高(3学科)・熊谷商高(1学科)があります。現時点では熊谷商高は定員まで余裕がありますが、深谷商高の3学科はいずれも1倍以上の倍率があります。同校は計49名が定員オーバーの状態なので、ここから熊谷商高や鴻巣高校(商業科)、深谷高校にどれだけ流れるかで2月21日の最終倍率が決まってきます。
[工業系] 県北の工業系高校は熊谷工高(5学科)・進修館高校(3学科)・児玉白楊高校(2学科)がありますが、現時点では児玉白楊高校は2学科共に定員まで余裕がありますし、進修館高校はものづくり科が1倍以上になっていますが、3学科合計では定員まで余裕があるので、第二希望をきちんと考えて選択すれば波乱は少ないでしょう。さて、熊谷工高です。ここは現時点で情報技術科(1.08倍)と建築科(1.75倍)と定員を超えています。学校全体でも定員を22名超えており、第二希望による全員救済は不可能です。特に同校の建築科は県北唯一の存在なので、本当に意思の固い受験生は動かない可能性が高いのではないでしょうか。
ところで専門学科には「倍率の隔年現象」がよく見られます。これはある年の倍率が高いと、次の年の受験生に「あの高校のXX学科は人気があって難しいから、受けるのをやめよう」という心理的なブレーキがかかって、翌年の倍率が落ち込むというものです。
これは逆の現象もよく起こります。つまりある年の倍率が低いとそれを見ていた中2生に「あの高校のOO学科は倍率も低いし、入りやすいんじゃないか」という心理が働き、翌年の倍率が上がるというものです。今年は熊谷工高建築科にこの現象が見られたようですね。
さて、12月15日現在の倍率について考察してきましたが、実際にはこの倍率を見て、2月17・18日の出願日までに、更に2月20・21日の変更期間中にも志願先を変える受験生が多かれ少なかれいます。
勿論そうした戦術も重要ですが、まずは「あと1か月半に迫った公立高校入試で第一希望の高校に合格するためには何が必要か?」という戦略の再確認が必要でしょう。その中には来週行われる県内私立高校入試や過半数の人が受けるであろう最後の模擬試験もしっかりマイルストーンとして組み込みたいですね。
いずれにせよ、すべての受験生が少なくなっていく残された時間を悔いの無いように過ごしてほしいと祈るものです。